上海中医薬大学と日本医学柔整鍼灸専門学校による臨床教育がオンラインで実施されました。
新型コロナウイルスが世界的大流行している中、日本の医療従事者たちは上海現地での中医研修を断念せざるを得ない状況にあります。しかし、医学人材の育成には空白を作ってはいけません。本場の中医臨床を学びたい医療従事者たちをサポートするため、上海中医薬大学と日本医学柔整鍼灸専門学校が合同でオンライン臨床教育を行いました。
初めての試みである今回のオンライン臨床教育は、上海市静安区中心病院鍼灸科で7月27日(火)、8月4日(火)二回に分けて行われました。ZOOMで通訳を介して、47名の日本の医療従事者たちが同病院の郭大暢先生の鍼灸診療を見学しました。
鍼灸の道40年の郭大暢先生は、患者さんからの信頼が厚く、外来はいつも大人気で、十数年前から通い始める方も少なくありません。二回目の見学で、30年ぐらい前から、不調が出るたびに、郭先生に鍼灸で治してもらったという患者さんにも出会いました。画面越しですが、診療室の忙しいながらも和やかな雰囲気が伝わりました。
頚椎症・五十肩・椎間板ヘルニアといった外科系の治療はもちろんのこと、不眠症・心不全・血圧の乱高下などの内科系の疾病も鍼灸治療を求めるという中国の医療現場に、多くの学生は驚き、感心しました。「コロナが収束したら、真っ先に上海へ勉強に行く」とコメントした学生もいました。
鍼の挿入瞬間と全体の配鍼をカメラに収めつつ、音声で郭先生の説明を日本語で伝えたのは、上海中医薬大学国際教育学院日本部の先生たちでした。
上海中医薬大学国際教育学院は、今後も世界に向け、よりよい中医薬教育を提供し、中国伝統医学の普及に尽力していくとしています。
郭大暢先生の鍼治療をライブで配信中
ライブで学生からの質問に答えている郭大暢先生